天国が好き 僕は幸せ

読んだもの

天国旅行

天国旅行

タイトル見て、THE YELLOW MONKEYの天国旅行を思い出し、思わず手に取る。実際、そうだったみたいで、巻頭に歌詞が引用されていました。心中をテーマにした短編集なのですが、最後の「SINK」は表題曲のイメージに近かったです。ただ、違いはあり、あくまで別の物語だとも感じました。物語の主人公は最後に家族の温かさを信じようとした。海の底に沈んでいくイメージは冒頭とは異なり、希望が少し見えてくるような気がする。それに対して、曲の主人公は、孤独の中ひとりで死んでゆく。絶望や苦しさ故の発狂から、死がもたらす解放や快楽へ向かう様子。僕は幸せ。それに反し泣き叫ぶようなギターの悲しい音。誰かと一緒に死ぬ(例え死なずとも死のうとする意志を持つ)心中と、ひとりで死ね自殺とは、だいぶ違うよなあと思った。私は、そこまで誰かを愛することも信じることも出来ないよ。死ぬときはきっと全くにひとりだ。作品がネガティブな感じだけじゃなくて、あたたかさを感じるものでよかったと思う。それってやっぱり人との関わり合いってことなんだけどね。嗚呼。台風が近づいてきました。寝ます。